新着記事
子どもに「自画撮り」要求する行為に懲役刑も…北海道の条例案は「防止効果」なし?
子どもに裸の写真を撮影させたうえで、スマホなどで送信させる「自画撮り」の被害を防ごうと、北海道は、青少年健全育成条例を改正して、児童ポルノの提供を求める行為を罰則付きで禁止する方針を示している。
道青少年健全育成条例の素案によると、(1)18歳未満に対して、拒まれたにも関わらず、さらに求めたり、威圧したり・欺いたり・困惑させたりしたうえで、送信させる行為を禁止する。また、13歳未満については、求める行為そのものを禁止する。
改正の理由は、自画撮りの被害が増えているが、現行法令では子ども(18歳未満の青少年)に対して、自画撮りを求める行為を禁止する規定がなかったからとしている。6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金を科すことになるという。
来年1月の施行を目指しており、成立した場合は、全国初めて懲役刑が盛り込まれることになるそうだ。今回の条例案をどのように考えればいいのだろうか。児童ポルノ事件にくわしい奥村徹弁護士に聞いた。
袴田さん支援のバッジ、レインボー柄靴下で裁判傍聴できず…「法廷警察権の違法な行使」国を提訴 東京地裁
裁判所の職務執行を妨害した者などに法廷からの退出を命じられる「法廷警察権」(裁判所法71条2項)をめぐり、静岡県一家4人殺害事件で無罪が確定した袴田巌さんの再審で入廷を拒まれた市民ら3人が11月13日、違法な権利行使により精神的苦痛を受けたとして国に計330万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提訴した。
高プロ、対象の議論スタート…年収1075万円「通勤手当込みで」厚労省素案
2019年4月から始まる「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の「省令」について、労使の代表者らが議論する、厚労省の労働政策審議会(労政審)の分科会が10月15日に開かれ、年収要件などをめぐり意見が交わされた。
高プロは、一部の高収入専門職を労働時間規制から外す制度。使用者側が「柔軟な働き方ができる」と期待する一方、労働者側は「長時間労働の歯止めがない」などと懸念している。
法律の条文では、年収要件や具体的な業種などが具体的に決まっておらず、省令12項目や指針を定める必要がある。
癒しを与える「うさぎカフェ」や「ふくろうカフェ」 深夜に営業しても問題ないの?
気軽に猫とふれあえる「猫カフェ」。猫が大好きだけど、ペットの飼えない集合住宅で暮らす人たちに人気のスポットだ。そんな猫カフェの営業時間を午後10時までとする暫定的な措置の期限が今年5月末にやってくる。しかし、猫カフェファンにはうれしいことに、環境省が、暫定措置を2年間延長する方針を打ち出した。
動物愛護管理法に関する環境省令では、動物の睡眠不足やストレスを防ぐため、ペットショップなどで犬や猫を展示できる時間を、原則、午後8時までとしている。だが、猫カフェは例外的に、午後10時まで営業が認められていた。
このように猫カフェは「特別扱い」されているわけだが、動物とふれあえるカフェはほかにもある。「ふくろうカフェ」や「うさぎカフェ」など、業界の裾野は広いように思われる。このような猫以外の「動物カフェ」の場合、午後8時以降に営業したら、違法とされるのだろうか。ペット法にくわしい細川敦史弁護士に聞いた。
もし「宿題代行業者」に頼んだ読書感想文がコンクールで入賞したら・・・法的問題は?
小中学生の宿題を請け負い、代わりに済ませてくれる「宿題代行業者」。ある業者のサイトをみてみると、算数・国語などのワークブック、英文翻訳から読書感想文や自由研究の代行までラインナップされている。
こういったサービスは学校の宿題にかける時間を無駄ととらえ、その時間を節約することで受験勉強に集中できる環境をつくることをうたっている。しかし、本来なら子ども自身がやるはずの宿題を大人が代わりにやるのは「ズル」なのではないか。そういった宿題が成績に直結していたり、コンクールなどに出品する課題だったりすればなおさらだ。
読書感想文や絵画などの宿題は、学校側でまとめてコンクールに応募することになっている場合も多い。そもそも宿題代行を請け負う業者に問題はないのだろうか。コンクールで受賞した場合はどんな問題に発展する可能性があるのか。森本明宏弁護士に聞いた。
ミスター巨人軍 「長嶋茂雄」は判例にも名前刻む…記憶に残る「事件」振り返る
プロ野球読売巨人軍の名誉監督、長嶋茂雄さんが6月3日、肺炎のために亡くなったことが報じられた。享年89歳。
選手、監督として日本プロ野球界に数々の功を打ち立てたスーパースターは、球場外でも常にテレビや新聞紙面をにぎわせた。
はからずも長嶋さんが「事件」に巻き込まれ、その名前が新聞やテレビに躍ることもしばしばで、判例にも名前は刻まれている。
長嶋さんの取材メモが“流出”した裁判は、新聞社と元社員との争いに発展した。企業のアンバサダーを35年つとめた「セコム」をめぐる法廷闘争もあった。判例や事件報道からその一端を振り返ってみたい。
OMEGAパロディー時計「OMECO」の商標取り消しを「支持」 知財高裁
スイスの高級時計ブランド「OMEGA(オメガ)」のパロディー時計「OMECO(オメコ)」の商標が有効かどうかが争われた裁判で、知財高裁は5月25日、OMECO側の請求を棄却する判決を言い渡した。
OMECO社(東京都台東区)はロゴの商標を2020年8月に登録した。しかし、それを不服とするOMEGAからの登録異議申立てを受けて、特許庁が商標登録を取り消すと決定したことから、OMECO社は特許庁の決定取り消しをもとめて、今年1月に裁判を起こしていた。
判決をうけ、OMECO社長の風間友亮さんは「卑猥であってもなんでも、表現の自由をもとめて戦っていきたい」と話した。
※原告側から連絡があり、記事の一部を修正しました(5月25日午後6時)
「5人に1人」は商品を試してない!? 実際に使わずに「レビュー」書いたら犯罪?
便利さゆえに、ますます広がりをみせる「ネット通販」だが、注文前に商品を手に取って確認できないという難点がある。そのため、買おうかなと迷ったときに、すでに買った人たちが書き込んだ商品の「レビュー」を読む人は多いだろう。そこでの評判が、利用者が購入ボタンを押すかどうかの判断基準の一つになっているのだ。
ところが、アメリカのウェブサイト「YouGov」が行ったアンケートでは、「5人に1人が商品を試さずにレビューを書き込んでいる」という調査結果が出た。そのなかには、試さずに悪評を書き込んだ人もいたようだ。日本の大手通販サイトでも以前、人気ゲームソフトが発売される「前」に、数百件のレビューが投稿されて、物議をかもしたことがある。
では、実際には商品を使っていないにも関わらず、あたかも使用したかのような感じで「悪評レビュー」を書きこんだ場合、名誉毀損などで訴えられる可能性はあるのだろうか。秋山亘弁護士に聞いた。
面会交流のあり方は子どもが決めること…支援団体の光本さん、自身の体験踏まえ語る
中学2年の時に両親が離婚し、母と離れて家族3人で暮らすようになった光本歩さん(28)。現在、親の離婚・再婚・別居など家庭環境に悩む子どもたちを支援するNPO法人「ウィーズ」の副理事長として、「子どものための面会交流」支援にあたっている。離れて住む親と子どもが面会することにどんな意味があるのか。光本さんは自身の体験を踏まえて、面会交流のあり方を語る。
川崎中1殺害で賠償命令も…。5500万円支払える? 被害者支援の課題を考える
多摩川河川敷で2015年2月に川崎市の中1男子が殺害された事件で、遺族が加害者側を訴えていた裁判の判決が7月26日、横浜地裁であり、計約5500万円の支払いが命じられた。
事件では、犯行当時18歳だった男性が殺人と傷害、17歳だった男性2人がそれぞれ傷害致死で起訴され、 いずれも不定期刑が確定している。

神奈川新聞によると、遺族は元少年3人とその親を合わせた計8人を提訴。判決ではこのうち、主犯格の男性にカッターナイフを渡した元少年の両親については、賠償責任を認めなかった。つまり、6人に計約5500万円の賠償を命じたことになる。
ただし、判決が確定しても実際に支払いがあるとは限らない。報道では、加害者側にも複雑な家庭事情があったとされる。少年たちが出所後の働き口を見つけるのも容易ではないだろう。仮に支払う意思があったとしても、現実的に無理なこともある。
裁判から見える被害者支援の課題について、犯罪被害者支援に取り組んでいる宇田幸生弁護士に聞いた。