犯罪・刑事事件の解決事例
#慰謝料・損害賠償 . #死亡事故

70代の女性が普通貨物自動車に撥ねられ、心のう膜破裂等の傷害を負い死亡した事案

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高山 桂 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人きさらぎ
所在地宮崎県 宮崎市

この事例の依頼主

70代 女性

相談前の状況

【事故発生からご依頼までの流れ】一人暮らしの70代の女性(以下「被害者」といいます)が、自宅前の路上の路肩で作業をしていたところ、後方を確認することなく、後退してきた普通貨物自動車に撥ねられ、両側多発肋骨骨折、心のう膜破裂、大動脈虚脱等の傷害を負い、救急搬送されました。しかし、治療の甲斐なく交通事故当日に亡くなりました。【相談・依頼のきっかけ】相談は、被害者の息子さんからの相談でした。加害者側の保険会社から提示された賠償金が適正なものか判断できない、母親が亡くなったにもかかわらず、保険会社の対応に誠意が全く感じられず、交渉がつらいとの理由で相談に来られました。なお、被害者の相続人は3人おり、相続人の皆様からご依頼を頂戴しました。

解決への流れ

【サポートの流れ(示談交渉サポート)】保険会社が提示した賠償金額を確認したところ、慰謝料が裁判基準よりも著しく低額であることがわかりました。一方で、逸失利益については、裁判基準よりも高額なものになっていました。もっとも、保険会社の提示した賠償金総額は、裁判基準で計算した賠償金総額よりも、低額なものでした。当事務所は、慰謝料について裁判基準で示談するため、保険会社と交渉をしましたが、保険会社は依頼人に提示した賠償金額以外には1円も支払うつもりがないとの一点張りで、交渉は決裂しました。そこで、当事務所では訴訟を提起し、判決によって、保険会社から適正な賠償金を得ることとしました。【結果】裁判においては、慰謝料の金額、年金の逸失利益算定における生活費控除率の割合等が主な争点となりました。生活費控除率とは、将来得られるはずであった収入のうち、生活費として使う割合のことをいいます。この生活費控除率が低いほど、得られる賠償金の額は多くなります。判決においては、慰謝料の金額、年金の逸失利益算定における生活費控除率の割合ともに当事務所の主張が認められました。その結果、以下のように、当初の保険会社提示額から1000万円以上増額した賠償金を得ることができました。なお、逸失利益については、保険会社の当初提示額が裁判基準以上のものでしたので、裁判になった場合、逸失利益については交渉時より下がることが予想されました。それを踏まえ、逸失利益が交渉時より低額になったとしても、賠償金総額では交渉時より上昇させることができるように訴訟活動を行い、結果として交渉時よりも高額の賠償金を獲得しました。

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高山 桂 弁護士からのコメント

慰謝料については、被害者を突然失うことになった3人の相続人全員が、深い悲しみに暮れているということを丁寧に立証し、その結果、交渉時よりも大幅に増額した慰謝料を判決で認めてもらうことができました。また、年金の逸失利益算定における生活費控除率についても、裁判例では50パーセントと認定されることが多く、また事情によっては60パーセントから70パーセントを控除されることも少なくないなか、当事務所では、相続人から被害者に毎月一定金額の援助があったことを立証し、判決では生活費控除率を30パーセントと認定してもらうことに成功しました。もし、生活費控除率が多数の裁判例と同様に50パーセントと認定された場合、逸失利益は556万円となり、得られる賠償金が200万円以上少なくなっていましたので、ご遺族の方々は大変喜んでいました。交通事故の死亡事案では、保険会社によっては裁判基準よりも著しく低い金額の賠償金を提示することがあります。今回の事件のご遺族の方のように、保険会社の提示額が適正なものかわからない、あるいは提示額に不満があるという方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。