この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
FX取引で失敗し、4000万円を超える損失を作り、証券会社から請求を受けているという女性から相談を受けました。その方の年齢、資産、収入では、数十年の分割払いとなってしまうので、支払不能として破産するのが通常の解決方法だったのですが、数年前に一度破産の免責を受けていたことから、小規模個人再生を取る方法しかありませんでした。ところが、小規模個人再生の場合、債権者の過半数の同意がないと再生計画の認可が下りず、単独債権者である証券会社から異議を出されないことが必須です。他の弁護士にも相談したが、皆異口同音に証券会社の同意を得ることは困難であるとして、依頼を断ったということでした。私としては、証券会社の同意を得ることは十分可能であると判断し、個人再生の手続を取る方針を取りました。
解決への流れ
証券会社に依頼者の方の資産、収入状況等を丁寧に説明して理解してもらい、全負債の13%ほどにあたる600万円を5年分割で支払うとの条件を取り付けることに成功しました。そして、速やかに裁判所に個人再生の申立てを行い、同条件での再生計画が無事認可されました。
確かに債権者一社のみという状況では、通常であれば、小規模個人再生の見込みは厳しいと判断することは形式的には間違ってはいないのかもしれません。ですが、多額の負債を個人で負担できないことは証券会社にも明らかであり、合理的な水準であれば、解決する見込みは付けられます。その読み通りの結論となった次第です。