この事例の依頼主
50代 男性
妻は体を掴まれたと言うことでアザの写真を証拠に出して、DV保護命令が発令してしまいました。私は以前、妻の体を掴んだことがありますが、アザの写真とは違うところでして、まさか、妻の言い分がそのまま認められて保護命令が発令されてしまうとは思っていませんでした。こんなことなら、保護命令の件で早めに弁護士を立てておくべきでした。保護命令は結論が出てしまいましたし、私としては、今後妻に近づくつもりもありませんので、保護命令への不服申立は考えていません。こんな風になってしまっても、私としては、妻とやり直したいと考えていますので、弁護をお願いします。ただ、妻はかなり高額な金銭を要求してくることが予想されますので、そうなった場合には、妻との未練も薄れてくると思いますので、離婚を決意するかもしれません。その時は、こちらによい条件で離婚できるよう交渉して下さい。ーーーーーーーーーーーー(妻が申告したDVの内容等)ーーーーーーーーーーーー1.両手で思いっきり腕を掴まれ、上腕にアザができてしまった。→(ご依頼者の言い分)妻がヒステリックになったときに、冷静になるように両肩を押さえただけで、手を掴んでいません。2.キッチンの包丁をこちらに向けられることがあった。→(ご依頼者様の言い分)妻があまりに私を非難してくるので、それなら「私を殺してくれ」「それで気が済むならそうしてくれ」と言って包丁をテーブルに置いただけで、包丁を妻の方に向けたことはありません。3.「殺す」と言った暴言を受け続けた。→(ご依頼者様の言い分)そこまでの発言はしていませんし、そもそも、夫婦喧嘩を仕掛けてくるのはいつも妻の方です。
まずは、秦弁護士を通じて、離婚したくない旨を妻側に伝えてもらったのですが、そうすると、妻側は全く交渉もせずに、離婚調停を申し立ててきました。最初は私も離婚拒否の意見を表明していたのですが、調停の席であまりに妻が身勝手な言い分ばかり述べてきましたし、何よりも300万円という高額な慰謝料を請求され、あまりにもがめついので、やり直そうという気持ちもなくなりました。そこで、離婚に応じるとしても、相手にはあまり財産を渡したくありませんので、財産を極力渡さない方向での交渉をお願いしました。妻側は、保護命令が出ていると言うことで、慰謝料が取れるのは当たり前という姿勢で300万円を請求してきました。これに対しては、秦弁護士のアドバイスで、妻側が主張する暴力や暴言について逐一丁寧に説明していきました。そうすると、調停委員も、こちらにあまり無理に慰謝料を請求してくることはなくなりました。最終的に、妻側も裁判はしたくないと考えたようで、調停を終わらせるために慰謝料の請求は取り下げた上で、離婚調停が成立しました。
まず、今回のケースでは、当初からご依頼者様が離婚に応じて良いのかと言うことでかなり悩んでいらっしゃいました。そこで、私からは、離婚は人生の重大な話だから少し時間をかけて結論を出してほしいと言うことを伝え、その間は、とりあえず離婚には応じられないと言う姿勢で臨むことにしました。調停が始まり、一回目の調停の途中、ご依頼者様も離婚で構わないと決断なさったようで、それ以降は、離婚の条件を良くするための交渉にシフトしました。特にこのケースではDV保護命令が発令してしまったため、慰謝料の問題では、ご依頼者様にかなり不利な状況でした。しかし、以下のような戦略をもとに調停に臨んだ結果、慰謝料ゼロで調停を成立させることができました。①ご依頼者様において調停の席で冷静に話をするよう努めたこと。②保護命令の根拠が薄弱であることを強く追及したこと。③調停は白黒つける場ではないという点を強調したこと。【弁護士秦のノウハウを凝縮した関連記事】▼モラハラ・DVのレッテルを貼られた旦那様側の総合サイトはこちら▼http://www.hata-lawyer.jp/morahara_dv-misunderstanding/▼ケース別復縁難易度▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2019/05/post-227-677491.html▼【調停テクニック1】調停申立書の読み方▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2019/05/post-228-677496.html▼【調停テクニック2】調停答弁書の書き方▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2019/06/post-229-677501.html▼家内が「モラハラ」と叫ぶと夫が全部悪者になるのか▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2018/05/post-179-600705.html▼家内が要求するモラハラ・DV慰謝料の額はどの様に決まるのか▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2018/05/post-180-600709.html▼妻側に弁護士が立つと直接話をすることもできないのか?▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2019/04/post-226-674465.html▼離婚調停って何だ?▼http://www.hata-lawyer.jp/blog/2016/10/post-106-311752.html