この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
母が亡くなり,賃貸マンションの相続が問題になりました。母が亡くなる前から,私がずっとこのマンションを管理してきました。また,このマンションは弟名義のローンを組んで建てたのですが,そのローンも母と私が払っていました。ところが,長年音信不通だった弟が,マンション売却代金の半分だけでなく,母が亡くなってから現在に至るまでの賃料収入も渡すよう要求してきました。私としては,長年のマンション管理への貢献を認めてもらいたいですし,ローンを払ってもらっていた弟がまた利益を得るのは不公平だと思います。良い解決ができないか,力を貸してください。
解決への流れ
① 一般的な基準より高額な寄与分を認めてもらいました。② 特別受益の主張は認められませんでしたが,その代わり,母が弟のために支払ってきたローンについて,「母が弟に対して事務管理に基づく費用償還請求権を有する。」と構成し,これを依頼者の方が相続したと主張しました。結局,この請求権と賃料の引渡請求権を相殺し,数百万円に上る賃料収入の請求を排除する内容で合意しました。③ 不動産を高値で売却し,十分な取り分を確保することができました。
背景に複雑な事情があり,円満な解決が困難と思われる事案でした。しかし,そこであきらめてしまうのではなく,何か他に主張・構成できないかを考え,依頼者の方に満足のいく解決ができました。また,私には,懇意にさせていただいている司法書士や不動産会社がおります。この事案でも,相続登記からマンションの売却に至るまで,スムーズに手続きを進めることができました。