この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
毎月40時間ほどの残業をしていた相談者。割増賃金を請求したいが、タイムカードなどがなく、会社から支払ってもらえないでいた。労基署に相談するも、会社は応じないままであった。
解決への流れ
会社の支払意志がないことが明らかであったことから訴訟を提起しました。労働時間の立証については、タイムカード以外での立証を検討することにし、パソコンのログイン・ログオフ記録や、携帯でのメール、手帳の記載などを証拠として提出しました。また、会社が固定残業代で支払済みとの主張を展開してきたため、過去の裁判例を調査し、固定残業代としては無効であるとの反論を行いました。裁判所も労働時間の立証を認めたうえ、固定残業代についてもある程度こちらの主張を認め、請求内容を酌んだ和解案が提示され、和解による早期解決を導くことができました。
タイムカード以外にも就労の事実を示す証拠はたくさんあるはずです。そのなかにも証拠力の程度の差はありますが、一緒に検討することで客観的な証拠を収集・抽出することができました。また、会社からは「固定残業手当を支給していたから割増賃金は生じない」という反論もなされましたが、弁済の抗弁としての要件を満たさないとの反論をすることができました。