同居していた母親が死亡したので，妹が遺産分割を主張した。しかし相続財産は母親と同居している自宅とその敷地がほぼ唯一のものだった。そこで家屋を明け渡さないと遺産分割が出来ないがどうしたら良いか。

母親の家屋に同居していた依頼者の話を聞いたところ，依頼者は母親に生活費の一切負担してもらいながら生活をしていたので蓄えもなく，相続税の捻出も難し状態であることが判明した。仮に相続資産の土地と家屋を売却したとしても譲渡所得税がいくらになり，相続税がいくらかかるか分からなかった。そこで予想される売却価格を算出したうえで，まず税理士に相談し，譲渡所得税と相続税を算出してもらった。税法上は居住用資産だったので相続税や譲渡所得税は減額され，比較的低額となることが分かった。そこで，妹とも相談して，依頼者の居住権を認めてもらうことを前提で，分割割合と金額を決めた。そのうえで，依頼者と妹で双方でもっとも高く購入する買主を探し高額で売約し出来たので，その価格で遺産分割を成立させて，依頼者は転居先を取得して解決した。