この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
相談者は、父、義母と父名義の家に3人で暮らしていましたが、その後、父が亡くなりました。義母との関係も良好で、その後も義母が亡くなるまで一緒に暮らしていましたが、亡父の遺産分割をするとか、父名義の家の名義を変えるという知識もなく、そのままになっていました。また、相談者と義母との間には養子縁組はしていませんでした。その後数十年が経過し、ふと、家の名義が亡父のままになっていることに気付き、これをそのままにしておくと相談者の息子にも迷惑がかかると考え、何とかしようとご相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
相談者の義母には子供がいなかったため、基本的にはその兄弟が法定相続人となります。戸籍を調べたところ、8人姉弟でしたが、義母と前後して既に全員他界しておりました。結局、代襲、再代襲相続も含め、相続人が全員で30人もいることが判明しました。30人全員と一度に遺産分割協議ができるはずもなく、まずは個別に相続分の譲渡(相続分を買い取るイメージです)を受けて相続人から抜けてもらい、残った相続人(譲渡に応じてくれなかった人)たちを相手方として調停を申し立てた結果、無事、残りの共有持分も取得することができました。
遺産分割協議を先延ばしにしていると、相続人が亡くなって次の相続が開始するという二重相続の問題が発生します。自分自身の財産について、遺族が揉めないように準備しておくことはもちろんですが、自分の親の相続を子供の世代に残さないようにするのが親の責任だと思います。